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地域社会とともに「ヘテロトピア」としてのアートの可能性を探る:札幌国際芸術祭レビュー

エイミー・カールによる『存在の谷からのエコー』は、現代のテクノロジーによって残し得る、わたし たちの残響を表現し、 100 年後の死の物語を紡いでみせるインタラクティブアートだ。 展示では、顔認識 や身体認識を駆使して表現される鑑賞者の「バイオデジタルエコー」がインタラクティブに表現される ほか、自らの DNA とテキストメッセージを残すことができる。そしてこれらのデータは、 2026 年に月へ 送り届けられるという。つまり『存在の谷からのエコー』の鑑賞者は、地球と月に自らの残響を残すこ とのできる最初の人類になるのだ。

「札幌国際芸術祭2024」の見どころをレポート。雪の街・札幌がアートを通し、未来への問いと行動にあふれた「実験区」になる37日間

エイミー・カールは、「生と死」をテーマに新作《存在の谷からのエコー》(2024)を発表。日食に発想を得たインタラクティブな本作は、来場者の動きや入力情報に反応し、生物学的かつデジタル化された来場者の痕跡を可視化。「100年後の未来に人間の生と死はどうなっているか。それはとても美しいテーマだと思いました。私はずっと人間とテクノロジーの関係、未来について探究してきましたが、本作は私たちのバイオデジタルの情報がどのように引き継がれていくかを提示します。この部屋ではボディトラッキング、顔の表情、みなさんが入力するテキストの情報などを採集しますが、本作を通して人間とテクノロジーの未来がネガティブ・ポジティブのどちらで、死後どのようなものが残り、残したいかを考えてほしいです」とカール。SF映画に登場する研究所のような展示室は未来の世界観たっぷりだ。

SIAF AS A TOOL #3 【ゲスト:エイミー・カール(未来劇場 参加アーティスト)】 ワイアード | 松島道明

ワイアードジャパンはこのポッドキャストでアーティストのエイミー・カールにインタビューを行いました。彼らの議論は、テクノロジーとバイオテクノロジーが健康、人間性、社会、そして未来に与える影響、そして札幌国際芸術祭(SIAFトリエンナーレ)での彼女のインスタレーション「エクスィステンスの谷からのエコー」に焦点を当てています。この作品は、デジタルと生物技術が物理的な死を超えた生命を可能にする未来における人間存在の儚い性質を探求し、未来の世代、ポストヒューマン、あるいは地球外生命体による人間存在の遺産と解釈についての疑問を投げかけます。

ウィキペディア | エイミー・カール

エイミー・カール(Amy Karle、1980年 - )は、アメリカのアーティスト、バイオアーティスト、未来派であり、特に技術およびバイオテクノロジーが健康、人間性、社会、進化、未来にどのように影響を与えるかに焦点を当てた作品を制作しています。[1][2][3][4] 彼女はバイオアートおよびアートサイエンス運動の先駆者であり、生物学的なものと計算機的なものを融合させた作品で知られています。…

バイオアートとは?有名な作品・アーティストを解説

「再生可能な聖遺物」エイミー・カール 内側にある神秘 身体の「美しさ」 「再生可能な聖遺物(Regenerative Reliquary)」は、3Dプリンターとヒトの幹細胞で作られた「人間の手の骨」を再現した作品です。作者のエイミー・カール(Amy Karle)さんは、身体機能の拡張をテーマに3Dプリンターを用いた作品をこれまで多数発表してきました。 「自分の全身の外骨格を育ててみたい」という発想から生まれたこの作品は、「YouFab Global Creative Award 2017」でグランプリを受賞しています。カールさんは他にも、人体の内側を表現したドレスや本物の肉を使用したドレスなどの作品を発表。「3Dプリント業界で最も影響力をもつ女性」に選ばれました。「コンセプチュアル アート テクノロジーズ」というサイエンスアートの展示を行う企業を共同設立するなど、バイオアートの先駆者として、医療と心身医学に貢献することを目標に活動を続けています。

Hills Life| 資本主義と幸福の未来

エイミー・カール さん(アーティスト / デザイナー / フューチャリスト): 不平等をなくすべく、 今のシステムは取って代わるか _規制される必要がある” _私自身の研究に引き寄せて考えると、資本主義の問題はその不平等性にあります。例えば、バイオテクノロジー、バイオニクス、身体拡張、交換部位や移植用臓器によって人間の身体が治ったり、能力が高まったりしたとします。でも資本主義のシステムにおいて、その恩恵を得られるのは富裕層で、一部の金持ちがスーパーヒューマンになる可能性もあります。すでにそれに近いことがアメリカでは起きていて、経済的に恵まれた人達だけが、質のよい医療にアクセスできるという状況があります。よりよい社会、誰もが生きやすい世界のために、正しい判断のもと今のシステムは取って代わるか規制される必要があると思っています。”

ファッションの見出し|芸術と文化のDNA

森美術館はこれまで現代美術と歴史的・科学的資料を組み合わせたジャンル横断型のテーマ展を企画してきたが と芸術。今回は、更に領域を広げ、AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート... バイオアーティストでもあるエイミー・カール(Amy Karle)の人間の神経や肺などの臓器や体内組織をモチーフに服を作るプロジェクトからの3体の他.

テクノロジーバイオハックで人々を驚かせてやまないアーティスト&パフォーマー特集

「将来的に、自分の体のパーツや臓器を培養できるようになる未来の訪れが予見できるか、と問われれば、私は首を縦に振るでしょう。しかし同時に、多くの倫理的・道徳的な問題が存在するのも事実です」と、カールは警告する。「こうした技術が科学的に確立される前こそ、より事態を俯瞰することが求められ、哲学者、倫理学者、政策立案者など、さまざまな分野の専門家との話し合いが必要になってきます。種としての利点と、人類への長期的な影響の両方を考えなくてはならないのです」

アートサイエンスが導く世界の変容

アートとサイエンス。一見まったく異なる領域に存ると思われるこの2つが出会うとき、私たちがこれまで想像してこなかった新たな未来への視界が拓かれます。 本書は、アートとサイエンス、その両者を行き来し、どちらにも属しつついずれにも収まりきらない活動を続ける先駆者たちの取り組みと声をまとめた、このシーンの全体像と最前線を展望できる一冊です。メディアアート、バイオテクノロジー、人工知能/人工生命、ロボティクス、VR/ARなど注目すべき作品を紹介しながら、実践者たちのクリティカルな視点を編むことで、アートサイエンスの意義と可能性に迫ります。

メディア・アートの向かう先と これからの広告コミュニケーション

あるいは,アメリカ人アーティスト,アミー・カール(Amy Karle)の『再生可能な聖遺 物 Regenerative Reliquary』も会場で最も話題を呼んでいた作品のひとつである。世界に は聖人の舌や手や包皮等,さまざまな聖遺物が存在しているが,この作品はバイオテクノロ ジーの力で復活可能な聖遺物を作り出そうというもので,3D プリンターでゲル状の素材を 手の骨格の形に成形し,そこにヒトの幹細胞を注入している。

2050年、生死の境目はより曖昧になり、私たちはデジタルの遺骨を弔う。

"ひとりぼっちで死ぬことはもっとも大きな不安のひとつです。死に際して、親しい誰かとの繋がりがあること、手を握ってくれる人が側にいてくれることがどれほどに心強いことでしょう。ソーシャルメディアのようなテクノロジーは人との繋がりは生み出せるかもしれない。しかし、親しい人、愛する人があなたの手を握ってくれること、これをテクノロジーで置き換えることは可能でしょうか?...テクノロジーは産業革命の際、人間を助けるもの、人間の役に立つものとしてデザインされました。しかし現代を見てみると、人間はテクノロジーに隷属しつつある。この事実について、私たちは慎重に考える必要があります。- Amy Karle

墓石越しに六本木ヒルズ。青山霊園に見たアニミズムと死の現在

DEATH-LIFE TOKYO」チームのディスカッションテーマは、世界でもっとも高齢化が進んだ都市のひとつである東京の、未来の生と死だ。テクノロジーが私たちの死の在り方を革新するかもしれない...この未来は心地よい死を、残された人々に与えることが可能だろうか?その思いを共有しながら、イノベーターたちは多岐にわたる議論を繰り広げた。しかしこの議論は収束を迎えない運命にある。生と死にまつわる議論は、問うほどに問いが増える。それは歴史の中でさまざまな哲学者、科学者、そしてアーティストが証明してきたことだ。チームの中では過酷な議論が生まれては消えていった。

バイオハックでヒトの手を再現。新たな生命観を問うアーティスト、エイミー・カールに西村真里子が

作品名『Regenerative Reliquary(再生可能な聖遺物)』でYouFab Global Creative Award 2017グランプリを受賞したバイオアーティスト、エイミー・カール。サンフランシスコ在住のエイミーの来日にあたって、テクノロジーとクリエイティブをつなぐHEART CATCH代表の西村真里子がインタビュー。パワフルに異領域を駆け回る2人の対話から見えてきた、バイオ時代の新たな生命観とは?

バイオアーティスト、エイミー・カールはなぜファッションで人間の内側を表現するのか

カール:人間やアイデンティティーとは何なのか、アイデンティティーをどうやって目に見え、手で触れることができる形で表現するかをずっと考えてきました。だから私の作るアートは自分の内側を他の人に対してさらけ出す、とてもパーソナルなもの。... "私の一番の課題は身体の意味を追究し、身体の内面を感じ、身体を表現すること。だから私にとってファッションとバイオアートは、テクノロジーが人間とその生活をサポートできるよ... 私の作品はテクノロジー的に先進的なものが多いけれど、私がいなくてもその作品が人の心に訴えかけるものであることを心掛けています。私が人の内面を外側に見せる作品を多く作っているのは、肌の色、文化、学歴、性的嗜好などに関係なく、人間の中身は同じだということを強調したいからです。

デジタルファブリケーションアワード「YouFab Global Creative Awards 2017」、審査結果発表

FabCafe Global が主催する、デジタルファブリケーション分野のグローバルアワード「YouFab Global Creative Awards 2017」の審査結果が発表された。2012年に始まり、今回で6回目となるYouFab Global Creative Awardsは、デジタル工作機械を用いてつくられた新時代のものづくりを評価するグローバルアワードだ。2017年のグランプリには、Amy Karle(アメリカ)が制作した「RegenerativeReliquary(再生可能な聖遺物)」が輝いた。Regenerative Reliquaryは、3Dプリンターとヒトの幹細胞で作られた人間の手の骨を再現している。無生物の物体から生命の可能性を描き出し、生命の神秘に対して疑問を投げかけた作品だ。

YouFab | YouFab Global Creative Awards 2017年度審査結果発表

の受賞作品を発表!26カ国、総計227作より選ばれた、20の受賞作をご覧ください。それは「見たことのないような新しい組み合わせのコラボレーション」です。例えば、グランプリを受賞したAmy Karleさんの『RegenerativeReliquary』にみられるアートとバイオ、エンジニアリングの結合。異質な背景をもった人と人とが、意見をぶつけあい、真剣に議論し、スキルを出し合ってつくりあげたものしか、この時代においては強度を生み出さない。そのことは他の受賞作品からも、明らかでした。

デジタルファブリケーション領域のグローバルアワード「YouFab2017」受賞作品発表

グランプリは、アメリカのバイオアーティストであるエイミー・カール(AmyKarle)の作品「Regenerative Reliquary(再生可能な聖遺物)」が受賞しました。3Dプリンターとヒトの幹細胞で作られた人間の手です。ヒトの間葉幹細胞が3Dプリントされた手の骨格に植え付けられ、細胞は手の形に沿い徐々に骨へと成長していきます。アート、デザイン、科学、テクノロジーの垣根を越え「人間であることの意味」を探り、生命の神秘を示唆する作品です。

Regenerative Reliquary:未来の聖遺物

アーティスト、Amy KarleさんによるYouFab 2017のグランプリ受賞作品「Regenerative Reliquary(再生可能な聖遺物)」は、3Dプリントと再生医療を組み合わせ、アートとサイエンスの二つの領域をまたいだ革新的なプロジェクトです。3Dプリントで作られた骨組みに、幹細胞を植え付け、体外で人間の手の骨を育成した本作は、製作と医療技術の限界を押し上げるだけでなく、アート、デザイン、科学、宗教、そして生(そして死)の未来について深遠な問いを提起しています。